鳥取県議会自由民主党
                                         会 長  藤 井 省 三

 そして、いつもの如く、憑かれたように読書が始まった。それは「永遠のゼロ」が初め
だった。「坂の上の雲」、「昭和史(半藤一利)」、「里山資本主義」、「資本主義の終焉
と歴史の危機(水野和夫)」、休む間もなかった。
 日本の近現代史を通読し、一足飛びに、未だ姿の見えない、ポスト資本主義社会の枠組
みについて思いを馳せた。
 日本が、世界の先頭を走り、次の時代の枠組みを作り上げるべきであるとの考えは正し
いのではないかと思った。
 バブル崩壊、長期デフレ、高齢社会、少子社会、財政逼迫、国民主権、環境問題、安全
保障、原発再稼働、どれを取っても、日本が先鞭をつけるべき問題のように思われる。日
本には、その資格、義務、能力があると信じている。
 そして、その為に必要なことは、バブル崩壊後に育った人達が主となって、政治参画す
ること、常識を疑うこと、創造は破壊から始まることなどを忘れるべきではない。
 また、過渡的には、危険を感ずるような変革をも、慎重に受け入れる必要に迫られるこ
とも承知しておくべきだろう。
 国会における、極端な「一強多弱」は、自民党員とて、望んではいない。多くの人は、
唯々、正しいことが行われることを望んでいる。その為には、相拮抗しながら、正解を探
し出す努力こそ、そして、その過程に意味があることを知っている。
 自民党、待望の憲法改正にしても、三分の二を占める一党の提案で進めるべきでなく、
沢山の政党が、原案を出し合って、成案を作り上げるべきものだと思う。
 憲法9条の「自衛権」は、すでに国民の合意はある。しかし、集団的自衛権については、
日米二国間の条約だと、危険を感じる人は少なくない。
 NATO(北太西洋条約機構、28カ国)のように、多国間で結ばれた安全保障条約で
あれば、戦争への抑止力は、より、正当に働くだろう。とすれば、日米安保はそのままの
形で、オーストラリアなどを加えて、NATOに参加することが正解なのではないだろう
か。そうなれば、日本に対する、ロシア中国の核の脅威も、格段に減ることだろう。
 アメリカに例を取るまでもなく、人種的偏見は続く。白人社会からも黒人社会からも接
近しやすいアジア民族・日本は、その一方の代表として、世界の正義をつらぬく覚悟が欲
しい。

12/7.政経レポート原稿

「男日本ニッポンどこへ行く、背中セナの桜が泣いている」