医療法人「徳州会」が、揺れている。
 全てを知り尽くした、「ナンバー2」の告発から端を発している。過剰に強力なナンバ
ー2の存在は、組織にとって危険ではあるが、その前に問題にすべきは、組織そのもの
の腐敗であろう。
 厳しい状況の中で、末端の病院はびくともしていないことに感心する。この騒動に嫌
気して、医師が去れば、病院は、そこで終わる。
 いずれ、徳田ファミリーが去り、利益追求型でない、民主的で、軽やかな組織に生ま
れ変わるような気がする。
 徳田虎雄氏に関しての私の不思議は、あれだけの権勢を誇った人物が、医科大学
を持たなかったことである。

 記者団の前に、借用書をかざす、猪瀬東京都知事は、あわれに見える。
 そこには、猪瀬知事を支える,優秀なナンバー2の姿はない。まるで、頼りない「一人
芝居」のようだ。
 誰かが,後ろにいるとすれば、前都知事・石原慎太郎氏が、猪瀬氏を鼓舞している
のだろうか。慎太郎氏は、あの威勢の良さの裏で、たくさんのものを犠牲にしているよう
に思う。
 猪瀬知事の、いたずらな頑張りに、限界を感じる(12月19日辞任)。
 後任都知事に、片山善博氏の名が浮かんでくれば、面白い存在になる。

 「スリー・A」といわれる、安倍総理、麻生、甘利大臣、そして、菅官房長官の四人組
はうまく機能している。
 とくに、甘利大臣、菅官房長官は、裏と表を支える二人のナンバー2として、まるで、
二枚腰のような、いい働きをしているように見える。
 一方、安倍総裁と石破幹事長の関係は、一種の緊張関係の中にある。これが、力
の平衡を保ち、上手く機能することがある。
 しかし、長く続く緊張関係(ストレス)には、いずれ、潮時がある。
 ところで、「秘密法案」は一体どうしたことだろう。秘密の少ない社会の方が、進化し
ていると思うのだが・・・。
 そもそも、国家が持つすべての情報は、国民の財産なのである。決して、国会議員
や、官僚の所有物ではない。
 法案が成立した今、国民の財産としての取り扱いが求められる。
 ただし、防衛は軽視されるべきではない。一朝ことが起こって、日本列島を失うよう
なことがあれば、日本人が、どれほど惨めなことになるかを想像してみるといい。

 それにしても、小泉純一郎氏の「即脱原発」発言は痛快だった。
 あれだけの喝采を受けるのは、現実的かどうかは別として、一面の真理を含んでい
るのだろう。
 あの原発事故によって、狭い日本列島に、人が住めない地域が出来たことには、ご
くごく、深刻に受け止めるべき理由がある。
 小泉さんのナンバー2は、竹中平三氏であり、飯島秘書が有名だ。
 そして、なんといっても、歴代ナンバー2の典型は、中曽根首相の後藤田官房長官
に譲るべきだと思う。
 民主党政権時代の三人の首相に、これに匹敵するナンバー2が,見当たらなかった
ことは、さぞかし、残念なことであったろう。

 このところ、日本を悩ます中国の、共産党一党支配体制はどうだろうか。
 意外に思われるかもしれないが、あの「全人代」といわれる組織体そのものは、いわ
ゆる「民主的」に運営されている可能性を否定できない。
 そして、習主席には、優秀な,気の合うナンバー2、李首相がいる。
 それが、北朝鮮の金体制とは,決定的に違うところであり、あながち、中国の自壊を
待つかのような姿勢は、間違いであり、危険な判断かもしれない。
 ただ、中国が、世界に覇権を求めているだけの国であるなら、恐るるに足りない。か
って、日本がそうであったように、時代錯誤であり、世界から孤立していくだろう。
 日本が、そのお付き合いをする必要はない。日本には、憲法の理想がある。

 鳥取県は、県議会は、そして、わが社会医療法人仁厚会はと、想いは、それこそ、
冬の枯れ野を駆けめぐる。(平成25年12月24日)

「統治とナンバー2」